看護師を志す皆様へ

野間校長

  済生会という名称は明治44年に明治天皇によって発せられた済生勅語の文中にある「施薬救療以て済生の道を弘めんとす」という一文に由来します。施薬救療というのは現代でいう無料低額医療のことで、済生とは「生(いのち)を済(すく)う」という意味です。この精神を継承し、現在済生会宇都宮病院では病院理念として「思いやりのある安全で質の高い医療を提供し地域社会に貢献します」という文言を掲げています。本校は済生会宇都宮病院に所属する組織であり、病院と同様、医療を通じて社会に貢献する人材を育成することを第一の目的としています。
 いま看護師を目指そうとしている方々は若くて健康な方たちでしょう。ほとんどの皆さんは大病を患った経験はないと思います。なかなか直感的にはお分かりにならないと思いますが、病気になったひとはそのひとがどのように普通に振る舞っていたとしても、例外なく心に大きな痛みを抱えています。看護師は医療に関連する職種のなかでも最も患者さんに近い存在です。単に仕事がよくできるというだけではなく、病むひとたちの心の痛みを分かることのできる看護師を目指すこと、そして済生会に所属する看護学校の学生として、済生会の目指す「済生の精神」を自分のものとしてくれることこそ、本校の教育が目指すところです。
 教職員一同、また先輩たちも看護師を目指すみなさんの入学をお待ちしています。

済生会宇都宮病院看護専門学校
校長 野間 重孝